貧困老人の切り抜き

5万円の年金で7万円の家賃が払えず都営住宅に映ったり、お客さんが減って長くやっていた喫茶店を廃業することになって70代でまったく食えなくなったり。
身近でも(そして老人じゃなくても)しんどいフリーランスの話しはよく耳にする。

「仕事の依頼がなくなって廃業し、会社員になった」というのはまだ良い方で、あんなに売れていたあの人が、備えてなくて50すぎで生活保護を貰っているらしい、家賃が払えなくなって廃業して地方の実家に戻ったらしいとか、悲しい噂もちらほら。
売れない30代後半のイラストレーターが超大金持ちのお婆さんと結婚したりして、驚くこともあった。

このように「なんとかならなかった自営業者」の例は事欠かないので「備えてなかったのになんとかなっているラッキーな例」を取材したくなった。

しかしなんとかなった例はかなり少なかった。
漫画にさせていただいた佐竹さんはそのひとり。さらにあともうふたりのご家族から話しを聞くことができた。

まず、愛知県の83歳の未亡人Kさん。長年夫とともに建築業をいとなんでいたが、夫にさきだたれて20年。年金は雀の涙。貯金なし。

何がうまくいってるって、シルバー人材センターの人気の仕事を60歳くらいからがっちり確保していること。

その仕事とは近所の観光地の休憩所でお茶を出しつつ、観光客とおしゃべりできる楽しいバイト。時給700円で週3回勤務。原チャリでブーンと通っているらしい。息子の家に同居しているので家賃がただというのも暮らしが楽なポイント。

さらに埼玉県で鉄工所を営んでいる70代のYさんご夫婦。「超零細の鉄工所」と謙遜されるが、かなりの現金を持っている。
「昔の人間で年金対策はしていない」と国民年金のみ。

工場を始めたころは工場も借地、家も借家。今は100ツボ超えの立派な住宅を所有している。つまり、一代でがっちり資産を作った。

お子さんふたりを大学に出し、学生時代は20万円の仕送りをしていたというからすごい。
バブル期に売り上げがかなりアップしたのだが、賢いYさんは決して調子に乗らなかった。

「投資をするので事業を大きくしませんか」
「新しい機材を入れて設備投資しませんか」
などなど、いろんな誘いがあったそうだが、「とにかく手堅く」がモットーですべて断ってきたそう。

というわけで事業上の借金はぜろ、住宅ローンも「利息を祓うのが嫌だ!」と超短期で返した。
76歳のいまもほそぼそと働いている。働くのが大好きで体が動かなくなるまで働くだろう、とのこと。

なんて羨ましいんだ。

Yさんの場合は「備えて」いなかったけど「資産」をむだづかいはしなかったことで、今もまったく困っていないということですね。

自営業は並があるけど、うまくいけば会社員以上に儲かるときもある。
ただ、そこで調子にのって事業拡大したり、ベンツに乗ったりすりと、転落の可能性が大きくなるとのこと。
なるほど!